合同会社は2006年に新しくつくられた
会社形態で、最近お客様の中でも多く
なっていると感じます。

Apple、Amazon、Googleの日本法人が
合同会社であることもあって
合同会社の知名度が上がってきていますね。

今回は合同会社について
株式会社との違いやデメリットについて
個人的な見解をかいていきます。

合同会社とは

合同会社とは
出資者=経営者となる会社形態で
アメリカのLLCをモデルに
日本で2006年に導入されました。

近年、日本で新設される
合同会社の数は増加しています。

東京商工リサーチによると
2021年と2022年では
新設法人のうち4社に1社が
合同会社だったようです。

ちなみに新設法人のうち
株式会社の割合は2021年、2022年
ともに66%ほどで、半数以上は
株式会社であることがわかります。

新設法人の動向について
2021年はこちら
2022年はこちらです。

株式会社との違い

合同会社が株式会社と違うところを
ざっとあげてみます。

出資者=経営者

会社形態で一番大きな違いは
株式会社は出資者と経営者が異なる
(所有と経営の分離)のに対して
合同会社は出資者=経営者である点です。

ただし、日本の多くの中小企業では
株式会社であっても
出資者と経営者が同一なことが
多いのが実態です。
いわゆるオーナー企業のことですね。

そのため実態をみると
株式会社と合同会社ではあまり
変わらないようにも思えますが、
株式会社では所有と経営を分離
させることができるのに対し
合同会社は必ず出資者=経営者
となります。

コストが安い

合同会社は株式会社と比べて
設立費用やランニングコストを
安く抑えられます。

先日の記事でも少し触れましたが、
合同会社は株式会社と比べて
設立時のコストが安いです。

さらにランニングコストの面でも
以下のような違いがあります。

  • 株式会社の場合は取締役の任期が
    最長10年で取締役の再任のたびに
    登記費用がかかるが
    合同会社は代表社員の任期がない
    のでその費用を抑えられる
  • 株式会社は決算の広告の義務があり
    官報に掲載する方法をとるとその都度
    6万円の費用がかかるが
    合同会社は決算の広告の義務がない

ただし株式会社と同様、合同会社でも
赤字でもかかる税金(7万円程)や
定款変更の際の登記費用はかかります。

配当は出資割合によらないでいい

株式会社の場合は出資割合に
応じた配当となります。

1株当たり〇円の配当と決議されたら
持っている株式数に応じて配当を
受け取ることができます。

一方合同会社の場合は
出資割合にかかわらず
配当の額を決めることができます。
配当の割合は定款で定めます。

ただしある社員には一切配当しない
という規定は作ることができないと
いわれています。

組織がシンプルで意思決定が早い

株式会社の場合は
最低でも株主総会と取締役という
機関を設けなくてはいけません。

さらに大会社となると
監査役、会計監査人が必須となり
その他取締役会、監査役会などいろいろな
機関がありその分意思決定が遅れる傾向に
あります。

一方合同会社では
出資者が経営を行う権限を持つため
意思決定がスムーズです。

機関設計としては
定款で出資者の中から
代表社員や業務執行社員を定款で
定めることができますが
それ以上の複雑な機関設計は不要です。

合同会社のデメリットについて

会社形態を株式会社か合同会社かで
迷っているときに知っておいていただきたい
合同会社のデメリットは以下のとおりです。

信用力の問題

近年合同会社が増えてきていて
合同会社の信用力がないというわけでは
ないですが、株式会社と比べると
まだ合同会社の信用力が高いとはいえないため
雇用や取引の面で不利になる可能性はあります。

また経営者の肩書についても
株式会社の場合は
「取締役」や「代表取締役」ですが
合同会社の場合は「代表社員」となります。

会社や商品・サービス自体が魅力的であれば
そこまで問題にはならないかもしれませんが
株式会社との違いとして意識しておく必要があります。

共同経営の意思決定について

合同会社で共同経営の場合、
経営者の中で意見が割れると
意思決定が困難になるケースがあります。

合同会社での意思決定は
基本的には経営者全員で話し合い
過半数によって決議します。

そのため
例えば2人で会社をつくって
2人の意見が合わない場合などは
いつまでも意思決定ができないという
状態になることもあり得ます。

また3人以上で会社をつくって
例えば、のちに1人だけ意見が
合わなくなってしまった場合はその方の
意見は通らないことになってしまします。

一方株式会社の場合は
出資割合に応じて意思決定権を持つので
あらかじめ出資比率に差をつけておいて
最終的な意思決定権を誰かに委ねると
決めておくことでトラブルを防止する
ことができます。

個人的には複数人で会社をつくる場合は
株式会社の方がおすすめです。

上場はできない

合同会社は上場はできないので、
将来上場を目指すのであれば
迷わず株式会社を選択して
いただけたらと思います。

なお、合同会社であっても
株式会社に組織変更をすれば
上場することができます。

事業譲渡や事業承継で不利になることも

合同会社の場合は事業譲渡や事業承継で
不利になることがあります。

合同会社は社員全員の同意がなければ
社員の持分を譲渡できないため
簡単に事業譲渡をすることができません。

また事業承継においては
定款の規定に工夫が必要です。

まとめ

今回は合同会社について
株式会社との違いと
デメリットについて簡単にかきました。

会社を新設したいけど
株式会社か合同会社か迷っている
という方にはこれらのことを念頭において
最善の選択をしていただきたいと思います。

ひとりごと

長男が大好きなポケカですが、
私も自分用のデッキを一つ
つくろうかなと言ったら
エネなしデッキがいいんじゃない?とか
いちげきなんちゃらがどうとか
やっぱりれんげきなんちゃらがどうとか
色々難しい言葉を言いながら
一緒に考えてくれています。